小さな画面でも合戦の面白さはそのまま。PSP用ソフト『信長の野望・蒼天録 with パワーアップキット』で,手のひらの中
日期:2011/08/04 転載:http://www.rmt-roan.jp アクセス回数:3533
4gamerによりますと
戦国大名の一人となって,戦乱渦巻く戦国の日本を統一する歴史シミュレーションゲーム「信長の野望・蒼天録 with パワーアップキット」のPSP版が,本日(2011年8月4日)発売される。
本作は,2003年に発売されたPlayStation 2用ソフト「信長の野望・蒼天録 with パワーアップキット」を,PSP向けに移植したタイトルだ。なお,PS2版「信長の野望・蒼天録 with パワーアップキット」は,2002年発売のPC版「信長の野望・蒼天録」と2003年発売のPC版「信長の野望・蒼天録 パワーアップキット」がベースになっている作品だ。
「蒼天録」の大きな特徴である大名配下の一武将として戦国の世を渡っていく配下武将プレイ,豊富なシナリオや高いカスタマイズ性,奪い取った領土を発展させていく内政要素。さらに,懐柔するか力で支配するかはプレイヤー次第の,各地に蟠踞(ばんきょ)する寺社や忍びなどといった諸勢力との外交交渉,刻々と情勢が変化する迫力あるリアルタイムの合戦シーンなどなど,PS2版に匹敵する多彩なゲームプレイが,PSPという手軽な携帯ゲーム機でも可能となっている。
「信長の野望・蒼天録 with パワーアップキット」公式サイト
配下武将プレイで戦国の世を満喫しよう!
本作では,プレイヤーが大名となって日本を統一するほかに,大名に仕える武将の一人となって,戦国の世をたくましく乗り切っていく「配下武将プレイ」を楽しめるのが,大きな特徴の一つとなっている。
大名でのプレイとは,大名となったプレイヤー自らが敵の領土を奪い取り,天下統一を目指すというプレイだ。プレイヤーが選択できる大名には,織田信長や武田信玄,上杉謙信といった超有名どころから,戦国に詳しい人でも聞いたことがないようなマイナーな大名までが揃っている。大名の一般的な知名度と戦力とは,だいたい比例していると思って差し支えないので,信長の野望シリーズを初めてプレイするという人は,有名大名を選択してプレイを始めるのがオススメだ。
そして配下武将プレイでは,プレイヤーがコンピュータの操作する大名の配下となってゲームを進めていく。大名の配下武将は,地位の高い順に軍団長,城主,そして一般武将に分かれている。プレイヤーが配下武将プレイで選択できるのは,軍団長と城主の位にいる武将達だ。なお,一般武将も任命コマンドを使い城主にすることでプレイできる。軍団長とは,所属する大名の領地内で複数の城の統治を任されている大身(たいしん)の武将のことで,自分が統治している領地内での内政や人事,さらには軍事行動までが認められている。城主とは,その名のとおり城を一つだけ任されている身分の武将のことだ。任されている城とその領地内での内政や人事権,軍事権などを持ってはいるが,やはりその規模は小さい。
配下武将でのプレイは,城主の場合は軍団長から,軍団長の場合は大名からというように,プレイヤーはその直属の上司からの命令をこなしていく。命令には領土内を豊かにするというものから,隣接する大名家の城を攻め取れといったものまで用意されており,最終的には自分が所属する大名家が天下を統一することが目標となる。
仕える大名家が天下統一を果たすため,大名の手足となって粉骨砕身するというのも魅力的だが,実はもう一つ魅惑的なプレイ方法が用意されている。それが配下武将による下剋上だ。これは文字どおり,一人の配下武将にすぎないプレイヤーが,所属する大名を裏切って独立し,新たな戦国大名として名乗りを挙げるという言わば禁断のプレイだ。「もし秀吉の忠実な軍師だった竹中半兵衛が,裏切って独立して大名になっていたら」などという,戦国が好きな人なら誰もが一度は考えるであろうことを,実現できるのは楽しいところ。もちろん裏切られた大名は,それこそ烈火の如く怒り,すぐにもプレイヤーを攻め滅ぼそうと大軍団を派遣してくる可能性が高いので,幕府や朝廷から下剋上の大義名分を得たり,同じ大名家に仕えるほかの武将と裏切りの密約を結んでおくなど,下剋上を起こす前の下準備は欠かせないだろう。
戦国を堪能する12本のシナリオ
パワーアップキットの要素も含んでいる本作では,戦国時代を12本のシナリオで遊びつくせるようになっている。収録シナリオは以下のとおりだ。
「1495年秋 駿河の梟雄」
関東の覇者を目指す北条早雲が,小田原城を攻略してその第一歩を踏み出す。戦国時代の最初期を楽しめるシナリオ
「1507年夏 三人の養子」
時の将軍,足利義稙を追放して権力を握った管領の細川政元だったが,その後継の座を巡って,三人の養子が骨肉の争いを繰り広げようとしていた
「1511年秋 船岡山合戦」
1507年に管領・細川政元が暗殺されて以後,足利義稙と足利義澄の将軍職を巡る戦いで近畿地方の情勢は混乱の極みにあった。パワーアップキットの「特撰カスタマイズ」をクリアすることで入手できるシナリオ
「1523年春 江北の炎」
阿波から近畿へと侵入を試みる細川澄元,三好之長らによって中央が混乱する中,近江守護の名門,京極家でも渦中を二分する家督争いが勃発していた
「1534年夏 信長誕生」
第六天魔王と呼ばれ恐れられた信長だが,生まれた当時の織田家はまだ斯波家の一家老でしかなかった。織田家でプレイして,信長の元服を心待ちにするのが楽しいシナリオ
「1546年春 信長元服」
いまだ尾張半国を収めているのみの織田家に,東から今川家の重圧がいよいよ重くのしかかる。若き信長となって,史実に負けない大活躍が楽しめる
「1560年夏 桶狭間合戦」
東海の太守,今川義元がついに京へ向かって進軍を開始する。道筋にある織田家の命運は,まさに風前の灯だった
「1570年秋 信長包囲網」
見事上洛を果たした信長だったが,それを快く思わない各地の大名が手を握り,織田家領地をすっぽりと包み込む包囲網を完成させた
「1582年春 本能寺の変」
日本の中央部をその手に握り,天下統一の最後の仕上げをするだけだった信長。しかし獅子身中の虫は,思いもかけない人物だった
「1582年秋 清洲会議」
明智光秀を討ち,主君信長の敵をとった羽柴秀吉主導の元,次の天下を誰が統べるかの会議が開かれようとしていた
「1583年夏 賤ヶ岳合戦」
前年の清洲会議において,対立が決定的となった羽柴秀吉と柴田勝家。両者の衝突は避けられない状況となっていた。こちらもパワーアップキットの「特撰カスタマイズ」をクリアすることで入手できるシナリオ
「1600年春 群雄関ヶ原」
織田信長,北条早雲,武田信玄,上杉謙信,平清盛,足利尊氏など,日本の歴史に名を残した稀代の英雄達がこぞって登場,天下統一を巡って争う架空シナリオ
以上の12本のシナリオ,どれもそれぞれに楽しみが詰まっている。その中でも,筆者のオススメは「1600年春 群雄関ヶ原」だ。このシナリオでは,東北地方に北畠顕家,越後に上杉謙信,甲信に武田信玄,関東に源頼朝,東海に織田信長,京に平清盛,中国に毛利元就,四国に長宗我部元親,北九州に黒田如水,南九州に島津龍伯といった,歴史にその名を燦然と輝かす名将達が大名として割拠しているという,まさに歴史ファン垂涎のシナリオだ。各大名の配下にも知将,勇将が集結しており,彼らを手足のごとく使いこなしての天下統一が楽しめる。
合戦,それは戦国の華だ!
地道な内政で領国を豊かにしていくのも楽しいが,知将,勇将を手足のごとく使い,颯爽と戦場を疾駆する合戦こそ戦国の華だ。
敵部隊と激突すると,まず野戦となる。ここでは縦長のマップに,敵味方それぞれ3部隊ずつを左翼,中央,右翼に配しての戦いとなる。3部隊以上を引き連れて合戦に臨んだ場合,残りの部隊は本陣で待機することになり,戦況に応じてプレイヤーの判断で入れ替えることになる。
野戦では,敵部隊を敵の本陣まで押し込めれば勝利だ。城攻めの場合は,引き続いて攻城戦へと突入する。ここでは城の門を守備する敵兵士と戦いながら,城門を開けて侵入し,本丸を攻め落とさねばならない。
野戦,攻城戦のどちらにおいても,部隊を率いる武将の能力が戦いの勝敗を大きく左右する。ただし,足軽隊,騎馬隊,鉄砲隊などの兵種には,じゃんけんのような強さの相関関係が設定されていたり,たとえ攻撃力を左右する統率の値が低い武将でも,知略の値が高くて,策戦という敵部隊を混乱に陥れたり兵士数を回復するといった特殊能力を持っていたりと,合戦では部隊の動かし方や各々の武将が持つ総合力が重要になっている。
合戦はリアルタイムで進行するので,プレイヤーはそこそこ忙しい思いをすることになるが,大部隊による力攻めや,少ない戦力ながらも知略を駆使した頭脳戦など,さまざまな楽しみが用意されているのが本作の合戦の醍醐味といえるだろう。「軍略フェイズ」で敵軍の動向を注視し,味方の城に援軍を要請したり,忍者を用いて偽伝令で敵軍を足止めしたりするなど,合戦が始まる前の下準備も重要だ。
「信長の野望」シリーズお約束のこだわり機能も充実
本作はパワーアップキットの機能を内包しており,戦国乱世の世界観をより楽しもうとするプレイヤーにとって,嬉しい機能が搭載されている。
その中の一つ,「特撰カスタマイズ」は,プレイヤーが武将の成長速度や,合戦で指揮する部隊の範囲など,広範囲にわたってオリジナルルールを容易に設定できる機能だ。なお,あらかじめ設定された7種類の「特撰カスタマイズ」をクリアすることで,武将や家宝,新たなシナリオを入手できるようになっているので,やり込み要素としてぜひ挑戦してみよう。
また,シリーズお馴染みのエディタ機能で,武将や城のデータを編集し,プレイヤーの思うがままの戦国時代を再現できる。今作では発生年や条件を指定してオリジナルのイベントを作成することも可能なので,プレイヤーごとにこだわりをもった戦国乱世を存分に堪能できるだろう。
正直なところ,PSPの小さな画面で合戦をしても,あまり面白くはないのではという不安もあったのだが,実際にプレイしてみると,小さな部隊がちょこまかと戦場を動きまわる様は,なかなか楽しいものだった。さすがに日本全国の地図を一度に表示すると,各大名家のアイコンがかなり小さくなって判別しづらくなってしまうが,実際には自分の大名家近辺の領土が見られれば十分なので,マイナス点とまでは言えないだろう。
プレイ時間が長くなりがちな歴史シミュレーションゲームにおいて,いつでもどこでも取り出してプレイできる手軽さは,やはり携帯ゲーム機ならではのメリットだ。メモリースティックへのデータインストール機能にも対応しており,快適にプレイできるようにも配慮されている。「信長の野望・蒼天録 with パワーアップキット」で,手のひらの中での天下統一を目指してみよう。
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